浅間山がはっきりと見えるのは
じつはよく晴れた日だけで
窓を開けるたびに天気に気づいた
見えなくてもあることを信じた
初めてここに来たときに
霧に追いかけられた
ひとりまたひとりと
飲み込まれていった
ここでは歩くことと登ることが
ゆっくりとつながっている
幾重にも重ねられた線の上を
なぞるように
少しだけ過ごした